ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.63(2019年8月23日)「老後に2000万円」から考える「ま、きる、と」(1)

「老後に2000万円が必要」との試算を示した金融庁の報告書に注目が集まっています。今回はこの「老後に2000万円」から「いま、できる、こと」を考えてみたいと思います。

まず、「なぜ、老後に2000万円?」を確認してみましょう。当コラムでも紹介したことがありますが、老後資金を試算するときの定番統計、総務省「家計調査」の高齢夫婦無職世帯の収支が根拠になっていますね。

高齢夫婦無職世帯の家計収支 −2017年−

高齢夫婦無職世帯の家計収支 −2017年−

具体的に申し上げると、収入が209,198円、支出が263,717円、収入−支出がマイナスで毎月の赤字額が54,519円、これが30年間(65歳〜95歳)で1962万円(=54,519円×12ヵ月×30年)の不足になります。これが「老後に2000万円」の根拠です。そして、「2000万円も不足するってことは、公的年金が制度として失敗してるってことじゃないか(怒)」と国会が騒がしくなっている、という訳です。

実は、この「2000万円の不足」をどのように捉えるのか、という考え方が、今回、皆さまにお伝えしたい「いま、できる、こと」です。そこで、もう一度、家計収支のデータに戻り、30年間の収支を整理してみましょう。以下の表をご覧ください。

高齢夫婦無職世帯の家計収支

例えば、マスコミ等で「老後は1億円必要!」とセンセーショナルに喧伝されるのは、30年間で支出が9,493万円にもなることを指して言っています。でも、よく見て下さい。この9,493万円のうち、7割以上は公的年金等で賄われることになるのです。つまり、我々、現役世代が「いま、できる、こと」として理解すべきは、「公的年金だけでは老後の生活を送ることができない」と嘆くことではなく、「老後の生活を考える上で、公的年金は大きな土台になる」という事実なのです。そして、この大きな土台を踏まえた上で、それぞれの状況に応じた不足分について老後資金準備を進めていく、という態度が求められているのです(金融庁もそうしたことを意図したはずです)。

大和証券 確定拠出年金ビジネス部
2019/6/14作成

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