ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.73(2019年11月1日)農業と投資の「体験」の違い、そして「N高」投資部の挑戦

最近、月2回発行される地元自治体の広報誌を熟読しています。お目当ては近所の農業公園で行われる収穫体験会。毎回、応募者が多くて抽選になるようですが、幸いにも、夏の収穫体験会に当選!8月の土曜日、夏空の下で、枝豆にピーマン、大きなナスとたくさんのトマトを収穫しました!

我が家の夏の収穫!

我が家の夏の収穫!

このような農業の体験は採って食べるだけですから、言わば、農業の楽しくて美味しいところばかり。間違いなく「成功体験」になります。一方、投資の体験は、その方法や成功の定義にもよりますが、必ず「成功体験」になるとは言えません。儲かることもあれば、儲からないこともある訳ですから。体験するにもハードルが高いのが、投資なのかも知れません。

最近、そんな投資の体験に、新しい取り組みが出てきました。話題(?)の通信制高校、通称「N高」の投資部における活動です。その概要は下のとおりです。

ゼロ金利世代は今(1)
「老後2000万円」17歳も動く※1

このN高に今年5月、投資部ができた。(中略)今夏からは実際に投資に挑戦する。実は投資部の特別顧問を務めるのは“モノを言う株主”として知られる村上世彰氏だ。
村上財団が生徒1人当たりに20万円を支給し、実際に運用してもらう試みで、投資対象は東京証券取引所に上場する個別株のみ。
損失が出ても生徒が返金する必要はなく、逆に投資で得たリターンは生徒が自身の勉強などに使ってよいという究極の実学だ。

この取り組みに対して、賛否両論があることも事実です。例えば、経済アナリストの森永卓郎氏は「損しても自分は痛まない形で投資に触れさせたら、お金の亡者になってしまう。」と指摘する一方、ご子息の康平氏は「いい取り組みだと思うけど、そんなにダメかな?」と共著※2で少し親子喧嘩をしています(笑)。

もちろん、この部活動は結果としての損得だけでなく、そこに至るプロセス(企業分析やプログラミング学習等)も含めた投資の体験に意味があるのだと思います。そして、私の勝手な解釈ですが、「投資は体験のハードルは高いけど、その体験こそが本当の金融リテラシーに繋がる」という本質を踏まえた、村上氏にとっての「いま、できる、こと」なのだと思います。また、20万円で投資できる、という事実も注目に値します。昨年10月から株式の売買単位が100株に統一されたことも、こんな投資の体験がやりやすくなった理由でしょう。20万円が少額とは申しませんが、「まとまった資金がないから投資しない」という考えはもう古い、ということも改めて強調したいですね。

  • ※1 出所:2019/8/14 日本経済新聞 朝刊 5ページ(下線、赤字は筆者)
  • ※2 森永卓郎、森永康平 『親子ゼニ問答』 角川新書

大和証券 確定拠出年金ビジネス部
2019/8/23作成

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