ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.85(2020年1月31日)結婚が一番多いのは11月ですが、離婚が一番多いのは…?

11月はとてもおめでたい月です。例えば、婚姻届が最も多いのは11月と3月です。また、結婚式の件数では11月か10月が毎年トップ争いを繰り広げています。つまり、婚姻届と結婚式をあわせると、11月は1年で結婚が一番多い、おめでたい月だと言えるのです。

逆におめでたくない月、つまり、結婚ではなく、離婚が一番多いのは3月です。離婚式というのは聞いたことがないので、結婚式との比較はできませんが、離婚届の件数が1年で一番多いのは毎年決まって3月です。やはり日本人は年度の替わり目を1つの区切りと考えているのでしょう。でも、離婚して新たな気持ちで新年度を迎える、ということであれば、そのイメージは暗いものばかりでなく、前向きな離婚もあるように思います。

さて、離婚という観点から平成を振り返ってみると、その件数は平成元年や平成2年の約16万組をボトムに始まり、右肩上がりで増加しました。ピークをつけたのは平成14年の約29万組、平成当初の約2倍の水準になりました。その後は減少トレンドに入り、平成30年は約21万組、離婚のペースも落ち着いて平成を終えた、という訳です※1。とは言え、平成の最後は始まった頃の3割増しの水準ですから、昭和の頃に比べて、離婚に対する抵抗感は薄れてきているのかも知れません。

もう一つ、平成の離婚事情で特徴的なのは、結婚して20年以上のベテラン夫婦の離婚が増えている、ということです。特に団塊世代の方々が大量に定年を迎え始めるという時代背景もあり、「熟年離婚」をテーマとしたTVドラマ(平成17年秋、テレビ朝日系)が放映されたり、新聞や雑誌でも「熟年離婚」という言葉をよく目にしました。当時、「熟年離婚」にますます拍車がかかるのではないかと取沙汰されたのが、平成19年度から始まった「離婚時の年金分割制度※2」。「妻は離婚した夫の年金受給権の半分を自動的にもらえる」と誤解される方も多かったようです。ざっくり言えば、実際に妻が受け取ることができる年金は、夫婦が結婚している間の夫の厚生年金のうち最大で半分、ということです。

昭和の頃よりも「熟年離婚」が増えたことは事実ですが、平成最後の10年間は思ったほどは増えていません※3。年金分割の理解が広まり、「結婚は損得勘定だけじゃない」と離婚を思い留まったのならいいのですが、「どうせ夫は先に死ぬから、遺族年金(=夫の年金の3/4)を受け取った方がいい」なんて算段している様子はあまり想像したくはないですね(冷汗)。

ちなみに離婚の理由で一番多いのは「性格の不一致」※4。でも、「性格の不一致」は慰謝料の請求理由としては認められないようです。これこそが何とも割の合わない離婚事情ですが、そもそも夫婦は赤の他人、性格が一致しているなんてほとんどないような気もするのですが。。。そして、それでも何とか努力して夫婦を続けている、そんな夫婦がたくさんいるので、『妻のトリセツ』や『夫のトリセツ』といった書籍がベストセラーになっているのでしょうね。そんな風に思います。

  • ※1 出所)厚生労働省「人口動態統計」
  • ※2 合意分割と3号分割という2つの制度があります
  • ※3 婚姻期間20年以上の離婚件数は平成14年の4.6万組がピーク、最近は年4万組弱で推移しています
  • ※4 出所)最高裁判所「司法統計年報」

大和証券 確定拠出年金ビジネス部
2019/11/15作成

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