ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.127(2020年11月20日)50代にぜひ知って欲しい、ねんきん定期便の「経過的加算額」

50代になると、ねんきん定期便に載っている年金額が変わります。40代までは「これまでの加入実績に応じた年金額」ですが、50代になると、現時点の働き方が60歳まで続くと仮定した「老齢年金の種類と見込額」が示されるのです。50代の私が、今年受け取った定期便はこんな感じでした。

筆者の老齢年金の種類と見込額(年額)

筆者の老齢年金の種類と見込額(年額)

まず分かるのは、私の場合、老齢基礎年金が満額ではないことです。計算すると444月分※1でした。満額の480月に36月足らないですね。理由は、私が学生の頃は国民年金への加入義務がなかったから。20歳以上の学生が強制加入になったのは1991年4月ですから、今の50代で老齢基礎年金の見込額が満額の人は珍しいでしょう。

もう一つ気になるのは、「経過的加算額」。今は少額ですが、老齢基礎年金が満額にならない50代の皆さまには、ぜひ知って欲しい知識です。一緒に「経過的加算額」の計算式を確認してみましょう。

「経過的加算額」の計算式※2

A=1,626円×厚生年金加入月数(上限480月)
B=780,100円×厚生年金加入月数(20歳〜60歳の期間)÷480
■経過的加算額=A−B

Aはかつて国民年金と厚生年金が別々だった頃の厚生年金の定額部分、Bは厚生年金の加入月数にもとづく老齢基礎年金の計算式です。昭和61年の制度改正で、厚生年金の定額部分は老齢基礎年金として支給されることになりました。実は、AとBで加入月数が同じでも、計算上、Aの方が少しだけ多くなります。つまり、制度改正で減ってしまった分が「経過的加算額」として厚生年金につくのです。

注目いただきたいのは、AとBのカッコ書きの中。60歳以降厚生年金に加入しながら働き続けてもBは増えません。一方、Aの加入月数は480月までなら増やすことができます。例えば、60歳以降に1年働くと、報酬比例部分に加え、「経過的加算額」が19,512円(=1,626円×12月)も増えるのです。

60歳を過ぎて厚生年金に加入しながら働いても、老齢基礎年金は増えません。その代わり、老齢厚生年金の「経過的加算額」が増えるのです。そんなカラクリを老齢基礎年金が満額にならない50代の皆さまには、ぜひ知って欲しいですね。一緒に働き続けましょう!

  • ※1 721,593円=780,100円(令和元年度の基礎年金満額)×444月/480月
  • ※2 定額単価(1,626円)と老齢基礎年金満額(780,100円)は令和元年度分

大和証券
2020/9/4作成

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