ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.156(2021年6月18日)比較して学ぶ(7)/NISA vs つみたてNISA(その2)
「初心者なら役立つ」を運用益非課税と損益通算で考える

昨年お亡くなりになった外山滋比古さんは『思考の整理学』というベストセラーが有名ですが、実は90代になっても現役投資家だったそうです。『お金の整理学』という本では、こんな風におっしゃっていました。

  • 儲けようと考えない境地とは、言い換えれば、少し株価が上がってもすぐには利益を確定しないということ。やはり長期保有である。
  • 額が少なすぎるから、面白味みがないから、私はNISAについて必ずしも肯定的ではないが、初心者が始める際に利用するのであれば役に立つ。
  • ※赤字、下線はコラム筆者が強調

「額が少なくて、面白みがない」というのは、さすがは生涯、投資家だった外山さんらしい言い方ですね。NISAは正式には少額投資非課税制度と言いますので、「額が少ない」こと自体が特徴の一つでもあります(苦笑)。今回は外山さんが、なぜ、NISA(特に、つみたてNISA)が「初心者なら役立つ」とおっしゃっているのか、その理由を私なりに探ってみます。

まず、運用益非課税について、簡単なイメージを作成しました(下図)。通常の運用とは異なり、NISAやつみたてNISAでは利益に税金がかからず、最終的な手取りが増えることが分かるかと思います。特に、つみたてNISAは非課税での運用期間が20年間なので、外山さんもおっしゃっている長期保有も可能ですね。非課税で長期保有もできるから、つみたてNISAは「初心者なら役立つ」のだと思います。

運用益非課税とは?

運用益非課税とは?

一方、NISAやつみたてNISAで損が出た場合、他の口座の利益と相殺して税金を減らすことができません。これを「損益通算ができない」と言いますが、損をしたときの救済がないという意味では他の口座に劣る部分かも知れません。

でも、つみたてNISAではそれほど気にする必要はないでしょう。なぜなら、つみたてNISAは定期定額投資で買付単価が平準化されるという特徴がありますので、ある意味、時間的な損益通算になっている、とも言えるからです。また、NISAとは違って、つみたてNISAでは投資をはじめたばかりの人が多く、他に資産を持っていないとすれば、損益通算で悩むこともないのです。逆説的ですが、損益通算から考えても、つみたてNISAは「初心者なら役立つ」ということだと思います。

大和証券
2021/4/9作成

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