ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.173(2021年10月15日)東京オリンピック、若手の躍進で考える「リスク」の取り方

コロナ禍の東京オリンピック、10〜20代の日本人選手の活躍が目立ちます。印象的なのは大舞台での攻めの姿勢。メダル獲得や勝利を「リターン」とすれば、どのように攻めるのか、まさに「リスク」をどこまで取るのか、という話ですが、今までの日本人にないような「リスク」の取り方を感じています。

例えば、積極的に「リスク」を取って、勝利という「リターン」を目指しているのがスケートボード競技、スケボーといったほうがいいですね(笑)。難易度やスピードばかりでなく、独創性やストーリー性も含めたトリック(技)を競い合う、とても爽快感のあるスポーツです。難易度の高い技にチャレンジして失敗しても、その積極性を称賛するような雰囲気があるのもいいですね。これはスケボーだけでなく、BMXやサーフィンでも同じように感じました。言わば、勝利だけではなく、称賛という「リターン」があるからこそ、積極果敢に「リスク」が取れる、そういうことなのかもしれません。

こうした考え方は、ある意味、投資の世界でも広まりつつあります。最近流行りのESGやSDGsとは、投資には金銭的な「リターン」だけではなく、社会的な「リターン」があることも示しているからです。もちろん、金銭的な「リターン」をないがしろにしたり、闇雲に「リスク」を取ればいい、ということではありません。でも、みんなでチャレンジして「リスク」を取ることが前向きに受け止められる、そんな雰囲気が投資の世界でも広がっていくことを願ってやみません。

若手選手の躍進は、スケボーなどのオリンピック新競技ばかりでなく、定番競技の陸上でも目覚ましいものがあります。特にトラック中長距離陣の攻め方は感動すら覚えました。男子3000m障害の三浦選手、女子5000mの廣中選手、そして女子1500mの田中選手、3人とも20歳前後ですが、東京オリンピックの大舞台で、世界の強豪に伍して先頭を走る「リスク」を取りながらも、入賞や日本新記録という大きな「リターン」を手に入れています。まさに、「リターンを得るには、リスクを取らなければならない」、このリスクとリターンの法則を体現しているのが、3人の走りだったと思います。

興味深かったのは、女子1500m準決勝のテレビ解説。田中選手が先頭から2番手に下がったとき、「そのまま2番手、キープで!」との解説というか絶叫(笑)があがりましたが、彼女は再度、スピードを上げて先頭を奪っていました(驚)!これまでの日本人にない走りだと思いましたし、日本人選手のメンタルが変わった、と感じた瞬間でもありました。

投資の世界では、つみたてNISAを利用する20〜30代の人が増えています。日本人の投資に対するメンタルも変わってきているのです。あと日本人に必要なるのは、スケボーや陸上の若手選手のような成功体験でしょう。それが積み重なれば、すでにパリ五輪を目指している若手選手と同じように、将来のライフイベントを見据えた資産形成への取り組みが、日本でも大きなトレンドになるはずです。楽しみですね。

大和証券
2021/8/6作成

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