ライフプランコラム「いま、できる、こと」vol.176(2021年11月5日)「コロナ禍の注意喚起」と「GPIFの投資原則」

もはや緊急事態宣言が常態化しているからでしょうか、地元商店街の様子は人流が抑えられているとは言い難い、そんな感じがします。それでも、毎年恒例の七夕祭りは今年も中止、アーケードの飾りつけは控えめですね。そんな中、商店街のあちこちに掲げられているのが、コロナ禍での行動自粛を促す注意喚起の横断幕です。

不要不急の外出を控えて
3密にならないように
買う物を決め短時間で

皆さんももう聞き飽きた、見飽きた標語かもしれませんね。その効果はともかく、これを少し言い換えると、我々の公的年金の積立金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の投資原則と似ているなぁ〜、と気付きました。唐突ではありますが、どんな風に言い換えられるのか、ご覧いただきましょう。

不要不急の売買を控えて
集中投資にならないように
基本ポートフォリオを決め定期的に

いかがでしょう?でも、これだけじゃわからないと思うので、後ろから順に説明していきますね。まずは「定期的に」。組織名が表すように、GPIFは年金の積立金を運用して管理する団体です。「定期的に」現役世代が収めた年金保険料のうち、年金の支払いに充てられなかった分が「定期的に」積立金になります。ですので、「定期的に」としました※1

次は「基本ポートフォリオ」。GPIFでは、長期的な観点から基本となる資産構成割合(=基本ポートフォリオ)に従って運用を行っています。現在の基本ポートフォリオは国内債券25%、外国債券25%、国内株式25%、外国株式25%の4資産均等の分散投資。つまり、この割合に従って「買う物を決め」ているってことですし、分散投資なので「集中投資にならないように」しているってことでもあります。

最後に「不要不急の売買を控えて」。逆にどんな時に売買するのか、GPIF業務概況書にこんな記載※2がありました。

年度前半では「市場環境の悪化により低下したポートフォリオにおける株式の比率を50%近傍まで戻し」、年度後半には「市場の上昇に伴い株式の比率が高まりましたので、リスクマネジメントの観点から内外株式の売却を進めました」。

つまり、市場の変化で資産構成割合が基本ポートフォリオから乖離した時に売買するのです。基本ポートフォリオを定めることで「不要不急の売買を控えて」いる、とも言えます。

こんな風に考えると、新型コロナでも投資でも、リスク管理で大切なのは「分散」だと分かります。そして、GPIFを見習うならば、3密を避けるための「分散」のルール作りが、コロナ対策の決め手になるのかもしれません(あくまでも私見ですが)。

  • ※1 GPIFによる年金積立金の運用は、長期分散投資を基本とし、定期的な積立投資が行われているわけではありません。
  • ※2 出所:GPIF「2020年度業務概況書」、p.19

大和証券
2021/8/27作成

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